初MX-4dにて鑑賞。
良かれと思って鑑賞したが、座席が揺れることで映画への没入に時間を要した。。
アメリカ版プロジェクトX。
アメリカ国内で伝説的な活躍があった際、すぐにこうした良質な映画に仕立て上げられる環境が心底羨ましい。
東洋の片田舎の自動車会社マツダがロータリー47士を擁してルマンを制した映画を観たくなった。
内容としてはアメリカ人お得意の負け犬が、優等生の鼻を明かす話。
史実かつ20世紀フォックスが作った娯楽映画のためオチがどうなるか予想がつく中、どう楽しませてくれるか、お手並み拝見だった。
脚本は車のアクセルとブレーキのように静と動が入り乱れ、そのひとつひとつに観客を楽しませようとする意図が見られる優等生的な脚本。
ドア事故、車の炎上、副社長の小物感、フォード二世のフォードとしてのプライドがスパイスとして見事に映画に振りかけられている。
加えてエンジンがかかるたびに唸る車のメカニックにも心が熱くなる。
カーアクション映画において、重要なのはいかに自動車の物質感や機械の歯車感を描写するかだと個人的には思う。
ただ、展開の予想もでき、最後の泣かせようとする演出に24時間テレビめいたものを感じ、冷める。
一癖ある最強のドライバー(整備士)
と
革新を嫌う伝統企業フォード。
その間に挟まれるルマンを唯一制したアメリカ人。
この構図で物語は進み、様々な困難の末にフェラーリに挑む。
だが、本当の敵はフェラーリにあらず。
そして、クライマックスへ。
冬の時代から始まり春夏と進み少し物寂しさを残す秋へと進む王道脚本。
黒澤映画御用達の小國秀雄が語る通りの鉄板娯楽映画の進行だった。
ゆえに少し物足りなさが残ってしまう。
劇場に足を運ぶ以上、アッと驚くような映像・編集・脚本を映画館で観たい。