諸星だりあ

フォードvsフェラーリの諸星だりあのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.5
1966年のル・マン24時間レースを中心に
描いた実話に基づくレースムービー。
元レーサーのキャロル・シェルビーは
フェラーリ買収に失敗したフォード社の次の
策としてル・マンでの勝利を託される。

もう一人の主人公、ケン・マイルズの腕は
いいが豪放な性格というキャラクターは
とても魅力的で、揉めながらもシェルビーが
彼に惹きつけられているのがよくわかる。
レースシーンはアクシデントもくまなく描く
大迫力。一瞬で地獄に落ちる緊張感が全編に
流れている。
そして大企業ゆえのしがらみが障害となり
幾度も立ちはだかるもどかしさ、この映画の
「敵役」はフェラーリではなく自分たちの
上司なのである。

実話ゆえに大団円とはならず、シコリが残る
物語ではあるがその熱量はフィクション以上に
ある。
まだ一月だが、今年の上位は決まりそうな
快作だった。

「7000回転の世界では、全てが消えていく」
諸星だりあ

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