ジャズなんだろうけど、ジャズに聴こえない。じゃあクラシックかと聞かれると、また違う。
何だろう?ジャンルに収まりきらない。
そこがビル・エヴァンスの最も魅力的なところなんだろう。
初めて映像で彼の演奏シーン観ました。
寡黙。そして姿勢がいい。
優雅、エレガント、美しい。
ジャズボーカリスト、ジョン・ヘンドリックスがそう讃えていた。
印象的だったのは、エヴァンスが1音も間違えたことがない。ただの1度もね。と共演者が語っていたこと。
エヴァンスは心象風景を音で描いている。
私が最も美しいと感じたのは、1958年の『Everybody Digs Bill Evans』に収められている
「Peace Piece」。
どこまでも静謐な地平線に、ポーン、ポーンとピアノの繊細かつ存在感ある1音1音。
時には旋律が混ざり合い響く。時には潮が引いていくような静けさ…。
とにかく聴いていて心地よい。
そんな風に私には聴こえる。
小難しいジャズのうんちくは解らない。
知っているのは、エヴァンスは小さい頃からクラシックの教育を受けた。
セロニアス・モンクは独学。
それだけ。
あとナゼ黒人ばかりのジャズにポツンと白人がいるのか?ずっと疑問だった。
ジャケットにパリッとしたシャツ。タイ。黒メガネ。真面目な顔。
ポートレートに写る時のカチッとしたスタイルが、サマになっている。
ジャケ写を見ながらいつも思っていた。
ピアノを弾きながらのくわえ煙草が最高に絵になる。
ドラマーのポール・モチアンが、映画に出てくる俳優のような風貌(スキンにサングラス、ファッショナブルないでたち)イケオジだったのが印象的。
ずっと観たかった。
一昨年か去年、上映されたのを見逃した。どこも一週間ほどしかやらないようだ。
配信にもディスカスにもない。
たまたま映画館見つけて観れました。
ありがたや〜。