北斗星

ビル・エヴァンス タイム・リメンバードの北斗星のレビュー・感想・評価

4.4

ジャズなんだろうけど、ジャズに聴こえない。じゃあクラシックかと聞かれると、また違う。
何だろう?ジャンルに収まりきらない。 

そこがビル・エヴァンスの最も魅力的なところなんだろう。

初めて映像で彼の演奏シーン観ました。
寡黙。そして姿勢がいい。


優雅、エレガント、美しい。
ジャズボーカリスト、ジョン・ヘンドリックスがそう讃えていた。



印象的だったのは、エヴァンスが1音も間違えたことがない。ただの1度もね。と共演者が語っていたこと。



エヴァンスは心象風景を音で描いている。




私が最も美しいと感じたのは、1958年の『Everybody Digs Bill Evans』に収められている
「Peace Piece」。

どこまでも静謐な地平線に、ポーン、ポーンとピアノの繊細かつ存在感ある1音1音。
時には旋律が混ざり合い響く。時には潮が引いていくような静けさ…。
とにかく聴いていて心地よい。

そんな風に私には聴こえる。
小難しいジャズのうんちくは解らない。


知っているのは、エヴァンスは小さい頃からクラシックの教育を受けた。
セロニアス・モンクは独学。
それだけ。



あとナゼ黒人ばかりのジャズにポツンと白人がいるのか?ずっと疑問だった。




ジャケットにパリッとしたシャツ。タイ。黒メガネ。真面目な顔。

ポートレートに写る時のカチッとしたスタイルが、サマになっている。
ジャケ写を見ながらいつも思っていた。

ピアノを弾きながらのくわえ煙草が最高に絵になる。





ドラマーのポール・モチアンが、映画に出てくる俳優のような風貌(スキンにサングラス、ファッショナブルないでたち)イケオジだったのが印象的。






ずっと観たかった。
一昨年か去年、上映されたのを見逃した。どこも一週間ほどしかやらないようだ。
配信にもディスカスにもない。
たまたま映画館見つけて観れました。

ありがたや〜。
北斗星

北斗星