デニロ

ビル・エヴァンス タイム・リメンバードのデニロのレビュー・感想・評価

2.0
日本では特に人気のあるジャズ・ピアニスト今は亡きビル・エヴァンスのドキュメンタリー。彼の名曲「ワルツ・フォー・デビイ」をわたしはモニカ・ゼタールンドで知ったのですが。

友人やら親戚やらのインタヴューを構成しているが、なんだか手柄話を聞かされているようでちっとも面白くない。悲しいかなブルース・スピーゲル監督の思いがどこにあるのかが伝わってこない。対象が亡くなっているのでその演奏を如何に聴くかにかかるのだが。

彼の演奏している姿を観ていると音の求道者の感がある。その求道者も麻薬の力を必要とした。麻薬を打ち陶酔の表情を浮かべて演じているシーンがあったが、薬がなければいい演奏ができないというメッセージなのか、と思う人もいないとは思うが、この露骨なシーンを見せつけさせられながら、ピエール瀧の演奏は演技は封印する、というダブルスタンダードの日本の政治性にあらためておぞましさを思う。

そんなことしか思わなかった本作は映画としてどうなのかとも思う。
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