【監督渾身のドキュメンタリー】
かつて一世を風靡したジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスを取り上げたドキュメンタリー。
実は私は音楽ではクラシック・ファンなのでジャズは日頃ほとんど聴かない。
じゃあなぜ映画館に足を運んだのかというと、実はチケットが（諸般の事情で）あったから無駄にしたくなくて、というきわめて消極的な理由からに過ぎなかった。
でも、見て良かったな。
ジャズ・ファンでない人間にも、ビル・エヴァンスの迫真の演奏ぶりや、その音楽性がストレートに伝わってくる。
彼の周辺にいたミュージシャンの演奏と回想もいい。
或いは親友も同然だった兄との関係。
或いは、薬物に足を取られて・・・といった私生活の部分。
すべてがビル・エヴァンスの全体像をしっかりと捉えて観客に提示してくれている。
スクリーンから目が離せなくなること請け合い。
非常によくできた、監督渾身のドキュメンタリー、そう評価するしかない作品だ。
