たけひろ

DUNE/デューン 砂の惑星のたけひろのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.0
「ブレードランナー2049」を映画館で観てなくて大後悔したもので、本作は製作を知った時から絶対に劇場でと誓っていた。

せっかくなのでIMAXでの鑑賞。

映像も音響も大迫力で存分に愉しみました。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ節が大炸裂。

Part1の本作では物語としては序章のようで、エモーショナルなものを大きくは感じなかったけれど、彼の作家性である詩情がそこかしこに。

カラバッジョやレンブラントの宗教画のような映像美もやはり。

重厚感たっぷりで、行間で語るタイプの監督なので、いわゆるハリウッドのヒーローもののような、ザ・エンターテイメントなわかりやすさは無く、観る人間を選ぶだろうなと。

宇宙での壮大な冒険譚をイメージしていたら、なかなかに大人な世界観。

政治的で複雑な思惑を孕んでいるプロットだったもので、関係性や背景を理解するのにかなりの集中力を要した。

デューンの世界での香料は、現代での石油や麻薬のような存在なのですね。

ジェットコースターにたとえるなら、急降下となる地点まで緊張感を保ちながら、徐々に徐々に、じわりじわりと上がっていっている、といった感覚。

Part2では一体どうなるのか。

期待値大で待っています。

あとの感想としてはね、建築物のデザインは好みだし、大小様々なガジェットはユニークで面白いし、巨大サンドワームは迫力あるし、子ネズミは可愛かったし、青い瞳は綺麗だし、ハンス・ジマーの劇伴はずしんだだだんとぴったりだし、照明の作り方がエロくてお洒落。

「マッドマックス」以来に味わった、砂漠という圧倒的な自然の脅威。

てっきりゼンデイヤがヒロインでティモシー・シャラメと大冒険するのかと思っていたら、母上のレベッカ・ファーガソンがそのポジションで大活躍。

高貴な姿でも、砂まみれでも、いちいち美しかった。

笑ったのは、10190年という時代設定(どんだけ未来!?)と、表敬訪問での唾吐き文化と、毒ガス後の男爵です。

もしも今後、砂漠を歩くことになったなら、私もあのダンスのような砂漠歩きをします。

最後に。

数年前に「ホドロフスキーのDUNE」を観ているもので、Part2も鑑賞後の彼の感想を知りたい気持ち。

もう、かなりのご高齢のはずなので、観て頂けるよう、完成が間に合いますように。

(原作未読でデヴィッド・リンチ版とドラマ版は未見です)
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