Blue

DUNE/デューン 砂の惑星のBlueのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.5
とても良かった‼️
20年前の中学時代に風の谷のナウシカを見て面白かったと言ったら親戚の人が貸してくれた本がduneで、それから映画も本も読むようになりました。

率直に言って今回はこの物語の設定とこれからポールが何をやるかという事で終わったので、これからが本番なんですねw。

観る前から父親の運命のところか、ここで切ってパート1にするしかないだろうな、と思っていました。

原作小説を書いたフランクハーバートは小説を三部作を第一エピソードとして、そしてもう4冊目の小説で第二エピソード、そして5冊目、6冊目の途中で亡くなってしまい、息子のブライアンハーバードが引き継ぐ形でduneの小説を終えました。合計8冊になるのですが、ドゥニビルヌーブ監督はこの最初の小説三部作を2本の映画にまとめようとしています。

今回の映画は小説の三部作で言えば60パーセントやった感じですね。あえてここは描かず次の作品に描くのかなというところもありますが。

おそらく原作小説を読んだ事がある人ほど納得する出来ではないかと思います。もう終わってから興奮して早く次が観たいと思いました。合計3回観ました。

ただホドロフスキーのduneのドキュメンタリーを観たことがある人なら奇抜さにかけるというかも知れませんし、duneの原作を知らない人はそんなに面白くなかったかも知れませんね。これは仕方ないかなと思います。率直に派手なアクションシーンもなければスリルある展開があるわけではなく、重厚にゆっくり作られていて歴史ドラマを見る感覚に近いと思います。

これはイマイチわからなかった人に向けてなのですが、小説では人類は宇宙に飛び出す技術を持ちながら、コンピューターやAIの反乱に対抗して勝利して、それらの技術を使わずに脳自体を拡張させて身体、精神の能力を上げるという事がduneの根底にある設定です。
つまり超能力者がいたりするのは持って生まれた才能/脳の拡張を活かしているという事になんですね。そこを説明していなかったのはちょっと減点かなと思いました。初めて観る人には1番納得できない点ですね。
もう一つは砂漠にあるスパイスは宇宙航行に必要な燃料、今で言うなら石油にあたるという事も憶えていて欲しい点です。

今回、同じ時期にアカデミー賞を受賞したクロエジャオとドゥニビルヌーブがSF作品を作って公開されたというのは、何かシンクロする部分を感じます。
もともとduneが大好きな俺にとってこの作品は特別な想いがあるけど、自然の撮り方、サウンドシステム、作品の裏側にある哲学、そういう所ではduneの方が印象深い作品でした。一方でクロエジャオがduneを撮ったら、それはそれで見応えのある作品を作ったのだろうし、観てみたいと思いました。


最後に現在は本当に歴史の転換点にあって、とてつもなく大事な時期にいるという事は書いておきたいと思います。2001年宇宙の旅があり、小説でduneがあって神話とファンタジーが融合してSF作品は大きく人間の文化を促進させました。

映画やテレビドラマ、アニメではこの両作品の影響でスターウォーズ、akira、風の谷のナウシカガンダムなどの作品が作られて、それが大ヒットする事によってテレビや雑誌注目して宇宙や環境問題、人間とはなにかという事を取り上げたりしつつ人間の意識を変えていき、そして文化にもたらす技術そのものも、変化と進化をしていきました。
つまり2001年宇宙の旅やduneは指数関数的に言っても膨大な影響力を持っている作品なのです。そしてこれくらい影響力を与える作品はないだろうと言われていたけど、ついにこの両作品に並ぶ作品がNetflixでドラマ化されます。

それは大ベストセラーになっている小説三体です。間違いなくこれはSF作品を根底からくつがえし、さらに人類の知識/認識レベルをアップさせる作品だと思います。相対性理論からM理論まで科学の先端の理論を使って物語を作られた三体は、本当に圧倒される壮大な物語です。間違いなく歴史の1ページに大きな意味を持たせると思います。

このSF小説の金字塔であるduneが映画化されるのと、大ベストセラーになってる三体が映像化されるのは、ある時代が終わり、また新たな時代が始まるのだという実感があります。本当に重要な時期に生まれてきたなと思います。

この転換的な時代において、duneぜひ劇場で見て欲しいと思います。
Blue

Blue