Tully

DUNE/デューン 砂の惑星のTullyのネタバレレビュー・内容・結末

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

最初のモノローグですごくおおまかな設定が語られますが、これがなかなか良くできていて、最低限の知識が得られ、これから見ていく上での心持ちが整いました。しかもそのモノローグが詩的で美しく、それに伴う砂漠の映像も大変に美的。そのあとアトレイデス家の紹介に入りますが、これがまた良い。「ティモシー・シャラメ」 演じる 「ポール」 は素晴らしい美形貴公子、「レベッカ・ファーガソン」 の母ジェシカも美しく気高くしかも訳ありげ。二人の衣装や宮殿の様子も素晴らしく、ポールの黒の軍服姿やジェシカのシンプルで中世的なドレス姿は見とれるほど美しいし、「古代のレリーフ」 や 「巨大な盆栽」 、「イスラム的な曲線の装飾」 が未来の王族の住まいに不思議なくらいマッチ。この美意識は最近の潮流のようで、オペラや演劇などの舞台芸術でも定番となっています。こういった映像的なメッセージが放つ世界観が気に入ったので、そのあとに続くダークな展開にもついていけました。「黒い皇帝」 が居たり、「フォース」 のような力があったり、「砂漠の住民」 や 「怪物」 が居たり、「スターウォーズ」 との関連が随所に感じられました。この 「Part1」 は物語の導入部分なので本題は次作に引き継がれる訳ですが、壮大なサーガの 「Episode1」 として上手く2時間半に纏められているんじゃないかと思います。話を知らない者にも分かるようにさりげなく説明が積み重ねられていました。ただ 「スターウォーズ」 と違って 「コメディパート」 が皆無なので、全編ひたすら緊張して見るため、終了後はどっと疲れました。もう少し息が抜けるシーンがあれば良かったかも。
Tully

Tully