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日本女侠伝 真赤な度胸花のodyssのレビュー・感想・評価

日本女侠伝 真赤な度胸花(1970年製作の映画)
3.0
【西部劇風味】

DVDにて。
藤純子主演の日本女侠伝シリーズの第2作。

といっても、人物も物語も、第1作とは断絶しています。
藤純子の役柄は第1作とは別ですし、高倉健は第1作の最後で死んでいるのですが、今回は別の役柄でまた登場します。
つまり、「緋牡丹博徒」シリーズでは一貫して藤純子演じるお竜さんがヒロインで、他の人物にも継続性があるのですが、こちらの「日本女侠伝」はそうではなく、各回登場人物と筋書が独立しているのです。

で、前回は博多や北九州が舞台でしたが、今回は一転して北海道が舞台。明治末期という時代設定は同じ。
冒頭、馬に乗った三人の男が映し出されます。
雰囲気的に西部劇。
その後の展開も、牧場や馬が材料になっていて、西部劇風です。
悪役の一家はみな銃を持っているし、西部劇のならず者集団と同じ。

牧場の継承をめぐって、死んだ牧場主と悪役一家が対立。
死んだ牧場主の娘が藤純子。

一方、高倉健は少し遅れて登場しますが、彼の父と藤純子の父はかつて対立しており、高倉健も藤純子に協力的ではありません。
いわば三すくみ状態になるのですが、高倉と藤がやがて手を握るのは言わずとも知れたこと。

藤純子は第一作と違って戦闘能力に長けています。
長髪を垂らした洋装姿も凜として魅力的。
しかし、悪役のボスを銃で殺した直後には気を失うなど、女っぽいところも見せている。

全体の見せ場は第一作と比べて少ないし、筋書も三すくみ状態になるところまではいいのですが、その後はやや大ざっぱ。もう一工夫欲しかったところ。

西部劇風味はいいけれど、第一作と比べるとやや劣るかな、という印象でした。
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