mitakosama

日本女侠伝 真赤な度胸花のmitakosamaのレビュー・感想・評価

日本女侠伝 真赤な度胸花(1970年製作の映画)
3.7
東映YOUTUBEにて。これは意外なほど面白かった!藤純子主演で、緋牡丹博徒のような
ありがちな任侠モノかと思ったら良い意味で裏切られた!
日本女侠伝シリーズの2作目とのことだが、今作は特別変わり種なのかな?

明治の開拓時代の北海道。馬市の利権を巡って、馬喰の開拓民に向かい新興のヤクザが争いをふっかける。
馬喰のボスは正義感も強く「ワシは鍋島藩の武士の家系じゃ」みたいな格好良いハッタリをかます。この見事なフラグに伴い、速攻殺される。
この馬喰のボスの娘が20年ぶりに会いに来て、後継者として戦う。この娘に藤純子。

この藤純子が燐とはしているが、緋牡丹博徒などの侠客のような凄みは無い。あくまでシッカリとした普通の女の人なんだよね。
そして藤純子はアクションも見せるが、コレが中々ヘッポコだ。どう見ても強そうじゃ無い。

敵ヤクザは、馬喰の1人(山城新伍)を人質に取ったり、馬場に火をつけたり、挙げ句の果ては町を占拠したりと大暴れだ。
山城新伍は奥さんと子どもを保護し、一家3人を逃亡させようとするが夫婦は殺されてしまう。
奥さんはペンキみたいな真っ赤な血をビュービュー吹き出して死ぬし、子役はエーンエーンと棒読みで泣く。

敵ヤクザの悪行に手を焼いていた所、健さん登場。当然主人公側の味方キャラクターだが、一筋縄では無い。なんと健さんの父親は開拓した農地を馬喰に取られた恨みがある。
ヤクザが奪い取ろうとする土地が、以前同じように奪い取った土地だとわかり、藤純子はショックを受ける。

それでも無法に立ち向かい、健さんも協力する。
任侠モノというよりは西部劇にノリが近い。北海道開拓のフロンティアスピリッツが上手く描けている。例えば登場人物の方言が北海道だけでなく九州弁なども見られる。地元民だけでなく開拓民もいることがわかる描写だ。

またアイヌのキャラクターも見どころだ。藤純子が鮭の味噌汁を作る描写もある。ヒンナヒンナ。藤純子に向かって「ニシパ」と読んでいるがこれはあってるのかな?兄貴って意味合いじゃ無いの?
サントラもビヨ〜ンビヨ〜ンとアイヌの口琴を用いたものだったり、色々興味深い。
mitakosama

mitakosama