ネオンピンクの破壊者
大人も誰も分かっちゃくれないものの秀作
静と動の振り幅が凄まじい
ベニーのふとした瞬間の優しさとキレてしまってからの惨劇、静寂と爆音、いつ発動してしまうのかと気が気じゃない 緊張感が持続する
これを支えた主演のヘレナ・ツェンゲルは自分が言及するまでもないが素晴らしい
また何かにつけてベニーをガラスを隔てて見る、不可視の壁を思わせる構図も印象的
システムや社会に適合出来ない人間はどうすれば良いのか？システム側をただ糾弾する事も出来そうな題材なのに視点がフラットに思えた
システム側の人間たちの仕事ぶりやベニー自身の病状についても細心の注意を払っている（彼女の母親と一緒にいたい思いを前面にする）、非常に誠実に感じる
唯一、感情論的に母親だけは断罪したくなってしまうが・・・
現実にも作中にも安易な正解はないが、中盤の森の小屋シークエンスのようにまず相手と正面から向き合う事が糸口になりえるのかもしれない
