トリュフォー→ピアラ→ドランと連なる大人は判っちゃくれんのですよ！の息吹を脈々と感じる。ただ作劇それ自体は期待させる→裏切るの反復であるし、児童福祉の限界を突きつけるだけの様な気がして受け止め方に戸惑う。家族のシステムから弾かれ悪循環のシステムに囚われたものを擬似家族のシステムに押し込もうとしたところで…との事だと思うが、今回の場合は原因がはっきりとしている訳だし、そもそものケアが必要なのは母親なのでは…だし、毎度お馴染みの様に父親はそもそもの存在を抹消されている。主演の子は大変素晴らしいのだが、これはちょっと取り扱いに気をつけないとその筋の人に目をつけられ違う消費のされ方をしそうだし、だからこそのこの上映規模なのかなって気もした（それ故に配信もソフト化もどうなんだろうと思うが…）。これは実際現場で働く人の声が聞きたいなと思うが、単にダメージを負わせてしまうだけの様な気がして怖い。
