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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたいの235のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

2024年32本目
制御不能なほど攻撃的になり行く先々で問題を起こしてしまう子供を題材に、居場所をなくした9歳の少女を描く人間ドラマ。
最初から最後までしんどかった。グザヴィエドランの「Mommy」を彷彿とさせる。映画だから希望を見せてくれるかもという甘い幻想が打ち砕かれた。
生育環境もあるが、脳の機能障害が大きいのだろう。本人も親も福祉さえもどうすることもできない。ベニーの親の行動や自身の無力さにベニーの前で涙を止めることができなくなるソーシャルワーカーのバファネの姿にこちらも苦しくなった。非暴力トレーナーのミヒャの諦めもリアル。自身の生活を脅かされる可能性もある中、あのような仕事に真摯に取り組まれている方々は本当にすごい。
母親のことも責められない。あそこまで酷くなる前に、なんて周りがいくら言ったところで、結局は実害のない他人の戯言。
ラストシーンを前向きととるか、絶望ととるかは観る人によって変わりそう。私は絶望ととった。
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