順慶

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたいの順慶のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

まず、タイトルの出るタイミングがいい。
これが監督と長編デビュー作らしい。すごいの撮ったな。

狂暴な9才の少女ベニー。特に顔を触られると怒りは制御できない。これは父親からのトラウマだろうが、それだけではないはず。オネショを何度もしたりして。

捕まえられて、そこから逃げてを繰り返す。どこの施設もベニーの受入れを断る。
誰か早くベニーの居場所を見つけてくれよ、と思いながら見ていた。

ミヒャとの3週間の森での生活も成果なし。
いろんな言い方で「ママ、ママ、ママー」とやまびこをしているシーンは、泣ける。

ショッキングピンクの服装は、怒りの象徴なのだろう。事件を起こしている。
アイススケートの最悪のシーン。
ベニーの顔を触れてはいけないということを知っているから、ミヒャの赤ちゃんが、ベニーの顔に触れたシーンの緊張感がたまらなかったが、そこからの安心感というか安堵。
それも束の間、ベニーは逃走する。

実の母も愛情はあるが、ベニーを怖がっている。
ファストフード店での喜びを見ているのに、とても残念な気持ちになった。

恐竜のぬいぐるみを常に持っているのもかわいいところ。でも、ベッドに縛りつけられて、こっち見ている目は、狂気すぎる。

ラストの空港での爽快感はなんなのだろう。同時にそれは絶望でもあるのだが。
順慶

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