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在りし日の歌のfinancierのレビュー・感想・評価

在りし日の歌(2019年製作の映画)
4.2
ものすごく好きだった。
台詞少なめだけど説明不足ではない。
台詞がなくても何が起きてるのかわかる。
何をしようとしているのか、どんな人なのか伝わってくる。
ただし序盤は人の記憶のように断片的で、シーンが泡のように浮かび上がっては弾ける感じなので、眠くなる人は眠くなると思う。

中国という大国の理不尽さに翻弄されながら、懸命に生きる人々を、大河のような時の流れが、留まらせることなく、先へ先へと運んでゆく。
風景や内装に社会や村落の状況が落とし込まれているのも秀逸。衣装も確かなものに見える。
社会と家庭、ふたつのイシューが混ざっているけど散らかっているようには感じない。どちらもあるからこうなったんだという説得力。

後半一時間はずっと感動していた気がする。
サニーのシーンはドキドキした。

いびつだったり、淀んでいたりしても、それでも帰るところたる家庭を形作ったのはリーユン。なんて得難い、素晴らしい人なんだろう。
ヤオジュンは残りの人生全部彼女を慈しむことに使って欲しい。

そして饅頭がおいしそう過ぎる!
私もリーユンのご家庭饅頭食べたい…。
ただの饅頭ならセブンで売ってるらしいので、晴れた日に買いに行こう。
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