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パドルトンのkazu1961のレビュー・感想・評価

パドルトン(2019年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-055
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋何気ない会話の中に潜む悲しみ。。。クスッと笑えて、そして泣けて、切なくなる、そんな作品です。テーマは『安楽死』こんな重たいテーマを描きながら優しい気持ちにさせるのは主人公のおじさん2人マーク・デュプラス、レイ・ロマノのアドリブの効いた静かな台詞のやり取りのなせる技ですね。それにしてもこんなテーマで作品が作られるのはアメリカならでは。安楽死法で本作の公開時にはアメリカの8つの州で認められて、その権利を得てる人はアメリカ人口の21%もいるそうです。日本では分かり得ない部分です。

🖋最近のインディペンデント映画の新しい潮流となったマンブルコア(低予算で、無名の俳優や素人が普段の会話のように自然に演じる作品)で、安楽死へと向かっていく2人のおじさんマイケルとアンディのロードムービー。マイケルが末期がんで余命宣告を受け安楽死を選択し、マイケルがその最期まで寄り添う物語です。2人は同じアパートに住む隣人ですが、お気に入りのカンフー映画『デスパンチ』を観て、休日は2人で考えたゲーム「パドルトン」に興じるそんな友人です。そして最期まで同じく日常を送るんですが、それが退屈であったのに、死に直面するとほんとうに大切なものであることに気がつく、そんな展開がとても切なくて心憎い。そして、いつも横並びでいる2人の距離感がなんとも言えないほど温かい。。。

🖋脚本はあくまでも骨子だけで、マイケルとアンディの会話はほぼ、主演2人の即興で演じられたそうです。それがすべてのこの作品、生命の尊さが、静かな会話劇、不要なものの排除、前述のマンブルコア作品ならではの温かな、そして切ない作品です。作中に流れるカンフー映画『デスパンチ』、本作のために作られた作品なんですね。

😢Story:(参考: Netflix)
アメリカの田舎町に暮らすマイケルは末期がんの宣告を受けます。その場に同席したのはマイケルと同じアパートの2階に住むアンディー。安楽死を選択したマイケルは、アンディーとともに致死量の薬を求めて車で6時間かかる病院へ。入手した薬を預かろうとするアンディーですがー。

🔸Database🔸
・邦題 :『パドルトン』
・原題 :『Paddleton』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 2019
・日本公開 : 劇場未公開
・上映時間 : 89分
・受賞 : ※※※
・監督 : アレックス・レーマン
・脚本 : アレックス・レーマン、マーク・デュプラス
・原作 : ※※※
・撮影 : ネイサン・M・ミラー
・音楽 : ジュリアン・ワス
・出演 : マーク・デュプラス、レイ・ロマーノ、クリスティン・ウッズ、カディーム・ハーディソン

🔸Overview (参考:Wikipedia)🔸
『パドルトン』(原題:Paddleton)は2019年に配信されたアメリカ合衆国のドラマ映画である。監督はアレックス・レーマン、主演はマーク・デュプラスとレイ・ロマーノが務めた。
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