けんけん3号

パドルトンのけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

パドルトン(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

パドルトンて壁当てのスカッシュみたいなスポーツのことだったんだね。こうゆう気軽な運動っていい。日本なら公園でバドミントンやキャッチボールみたいな。こうゆう軽い運動って気心が知れた間柄じゃないとしないもんね。そこから
2人の関係が伺える。お気に入りの映画を観ながらピザを食べていっしょに過ごすのがルーティン。自ら人生を終わらせることを決めたマイケル。その事実に向き合うアンディー。この2人の距離感が絶妙。案外、男同士って、馬鹿な会話して、ただつるんでるだけでいいんだよね。「 デスパンチ」に使えないカード、ピンクの貯金箱、ヘンなシャツなど、ちょっとユニークなおっさん2人が可愛らしく見えてくるから不思議。それでもところどころに哀しさもあり、またそれが現実的。ただいっしょにいて、相手を想ってるのが分かるから。そこら辺を静かに上手く描いている。終盤の、決断の時が来て、狼狽するマイケルの、あの薬の飲み方は辛かった。アンディーもどうにかなりそうなくらい辛いのに、心配させないように平静を装う場面も辛かった。手を取り送ったアンディーは立派。自分にとって大切な人を失うのは悲しいよ。一人パドルトンは切なかった。人間の幸せって、心を許せる人と過ごす時間なんだろうね。何を食べても美味しいだろうし、何をしても楽しいだろうから…。劇的なことは何も起こらないんだけど、ジワ〜と染みる作品。