監督は、ワイダの''悪霊"の脚本の人。ワイダ組。
ウクライナをターゲットとした、飢餓テロル、ホロドモールを題材とした映画。
それを目撃した英国人ジャーナリストのハナシ。
famine33と、内容は被らず。
あちらは、飢餓政策で丸ごと農作物を接収された家族が、村が、死に絶えるまでの映画。
比べて本作は、反ソプロパガンダとしてはあまり機能しない造り。
そもそも、こんな記者が実在したにもかかわらず、冷戦時代ですら、ホロドモールほとんど知られる事が無かった。
それこそが本当の闇と、感じさせられる。
結果、闇が闇に中和され、無力感のみ味わう映画となっているような。
語り部として、ジョージオーウェル役まで登場させており、徹底して中和度を高めている。
スターリンの虐殺政策を通し、西側の闇を知る映画。
まぁ、そこに記者達の人間性と言うドラマをあてがっており、見応えは有る。
2019年、イギリス、ウクライナ、ポーランドの制作。
両陣営に挟まれる国ならでは、の映画。
現在のウクライナも、過去と同じように、見捨てられたかも知れない、微妙な時期の制作。
因みに、ポーランドとウクライナは、ナチス、ソビエト両陣営から殲滅対象とされ、西側は、ここぞの時にスルーして来た歴史がある。
やり場の無い虚無感は、国家として、民族としてのモノなのだろうか。
因みに、ソビエトが虐殺政策を公式に認めたのは、崩壊直前の事。
30年近く経つのに、中々歴史は上書きされていない。
ロマンカルメンのドキュメント、ニュルンベルク裁判を観ると、そのプロパガンダ具合に呆れるが、自分も含め、そのまま世界中に浸透してるもんで、その強さに改めて呆れてしまう。