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ニューヨーク 親切なロシア料理店のjamのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

もう看護師は無理かも…

救急の現場でなりふり構わず働き
"赦す会"を主催して人々を励まし
ホームレスの炊き出しをする

いったい自分の時間はあるのだろうか?
それでもアリスはいつも穏やかな笑顔を欠かさず

自分の無力さに、バックヤードで思わず咽び泣く彼女が他人と思えない
私はあそこまで滅私で奉仕な訳ではないけれど
仕事して 公休日には助けの必要な方たちのところにお手伝いに行く日々
無理してるつもりはない
…とは言え

行き詰まるアリスを観ていたら
あれは私かもしれないなどと


この映画のメインは
DVの夫から逃れてニューヨークにやってきた母子の物語

お金も寝る場所も無いクララが、お店で盗みをはたらいたり、飲食店から料理を持ち出して二人の子供に食べさせたりするシーンが続き
観ているのが辛くなって、もう途中で帰りたくなりかけたけれど

看護師のアリスをめぐる人々によって
起こる小さな出来事を
ひとつずつ見つめていると
それぞれの想いが画面越しに届き始める

クララと健気な息子たち
胸に痛みを抱えるマーク
何をやってもうまくいかないジェフ
そしてオーナーのティモフェイ

それぞれの優しさが繋がって
希望の光となって


燃え尽きてしまわないように
今日も私は映画館へ足を運ぶ
jam

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