このレビューはネタバレを含みます
もう看護師は無理かも…
救急の現場でなりふり構わず働き
"赦す会"を主催して人々を励まし
ホームレスの炊き出しをする
いったい自分の時間はあるのだろうか?
それでもアリスはいつも穏やかな笑顔を欠かさず
自分の無力さに、バックヤードで思わず咽び泣く彼女が他人と思えない
私はあそこまで滅私で奉仕な訳ではないけれど
仕事して 公休日には助けの必要な方たちのところにお手伝いに行く日々
無理してるつもりはない
…とは言え
行き詰まるアリスを観ていたら
あれは私かもしれないなどと
この映画のメインは
DVの夫から逃れてニューヨークにやってきた母子の物語
お金も寝る場所も無いクララが、お店で盗みをはたらいたり、飲食店から料理を持ち出して二人の子供に食べさせたりするシーンが続き
観ているのが辛くなって、もう途中で帰りたくなりかけたけれど
看護師のアリスをめぐる人々によって
起こる小さな出来事を
ひとつずつ見つめていると
それぞれの想いが画面越しに届き始める
クララと健気な息子たち
胸に痛みを抱えるマーク
何をやってもうまくいかないジェフ
そしてオーナーのティモフェイ
それぞれの優しさが繋がって
希望の光となって
燃え尽きてしまわないように
今日も私は映画館へ足を運ぶ