あさのひかり

ペトルーニャに祝福をのあさのひかりのレビュー・感想・評価

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)
4.1
今年観た映画でいちばん元気もらえた。失礼なセクハラ面接を甘んじて受けていたペトルーニャが、だんだん自分の主張をするようになって、警察での不当なはずの取り調べに異義を訴えていく姿が印象的で。やりとりがどこか皮肉効いててユーモラスでふふ、ってなる。私も不条理な目にあったらあんな風に反論していきたい、って思っちゃった。

彼女にとって必要だったことは、女性が取ってはいけないとされている十字架そのものじゃなくて。このことを通じて、誰かにダメだと言われようがどんな目にあおうが、「私は幸せになりたい、私は間違ってはいない!」と主張することそのものだったのだと思う。邦題はペトルーニャに「祝福を」だけど、この祝福をするのもキリスト教の神じゃなくて・・って思う。

ペトルーニャの母親の感じなんかすごく分かる・・母親故の距離感のなさで近づいてきて、娘にとって大切なものを平気で壊して愛情故だから何ならいいことしたと思ってるようなあの感じ・・母親ってお国柄問わずあんな感じなのかな。

序盤のマネキン使った画像とか、ペトルーニャにただひとり理解を示す警官とかの描写も好き。ペトルーニャの物語も私にとっての物語だけど、彼の物語もまたそうだったな、とも思えた。
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