ねずみ

ペトルーニャに祝福をのねずみのネタバレレビュー・内容・結末

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

十字架ひとつに必 死 だ なって感じだけども、それがあらゆるものをあぶり出していった。

川ではとっさに「彼女へ渡しなさい」とみなに諭した司祭が本部の進言で一転、とり返しにやってくるなんて、本心から出た公平性より保身が大事のようだ。
ニートこどおばの子に心労たえないお母さんは、娘に理想を押しつけ目の前の彼女をずっと否定してきたらしく、とうとう蹴っ飛ばされてしまう。
唯一の味方はフェミニストのレポーターだが、主人公の抱え込んだ以上の壮大なものを求めて空回る。そこがひとつのユーモアとか皮肉になって面白い。
カメラマンとの決別シーンは笑った。同僚とあんなケンカしてみたいわ。
この人自身、母親の役割とキャリアとの狭間で押しつぶされそうで
もしかすると自分のうまくいかない現状とこの事件を重ね合わせていたのかも。

たとえ気弱な人でも、これだけは納得できない譲れない瞬間はあるもので、ペトルーニャにとってこれがそうだったんだろうな。
彼女は誰からも軽んじられるけど、本当は知的で気骨がある。観客だけはそれをわかってる。

ほとんど狂気の集団と化した男たちの描き方はちょっと陳腐だったかな
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