kawaebi99

イエスタデイのkawaebi99のレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
2.2
世界規模の大停電の夜に交通事故にあった売れないミュージシャンの主人公。担ぎ込まれた病院のベッドで目覚めると そこは誰もビートルズの存在を知らない別の世界だった。軽く弾き語るビートルズの名曲たちが次から次へと人々を魅了し、ヒット曲になっていくという超ラッキーなパラレルワールド。斬新でなんと面白そうな映画!

と思いきや こういう設定でありがちな 幸福の代償的な代価の重い喪失感は全く無く終始平和なストーリーが続く。そしてまた、懐かしさを期待して映画ボヘミアン ラプソディとの共通点を見い出そうなどとしてはいけない。本作は恋愛劇が全ての映画、それ以上のモノは何も描かれていない。ビートルズの偉大さを掘り下げることも無く 壮大なアイデアを無駄遣いした悪い例。リリー ジェームズが可愛いかったからスコアはオマケ。
曲名間違いなら レット イット ビー で レット イット ゴー って言われちゃうのを使って欲しかったなぁ^^

ネタバレ ↓↓↓↓↓↓↓






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SFっぽい設定をサクセス物語風に描きつつ、モジモジした展開の素朴なラブストーリーでまとめ上げている。音楽映画でも無く、SFミステリーでもファンタジーでも無く、コメディーでも無く、ただ淡々と時間が流れていくロードムービー的な恋愛映画の部類。
割と初めのあたりから散りばめられてくる面白い仕掛けがあったりもする。この世界で無くなっているものはビートルズ以外にもいくつかあって、それらが幸福代償の布石として謎解きの伏線になるのだろうと いろいろ想像を巡らして楽しみながら観ていたが アレレ? マジ!? という 呆れた感想しか出てこない全くの未消化のまま終わる中途半端さがこの映画全体の大きなマイナス要因。それらのアイテムはただの思いつきで登場しただけだったようだ。きちんとシナリオを練ればもっと良い使い方があっただけに残念。
せめてもの救いは 平和のシンボルとも言えるあの偉人が音楽に触れずに現代でも生きているというワンシーンだった。その部分も もっと感動を呼ぶ描き方があったんじゃないかと、、、
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