ダニーボイルは面白い。が、この作品は少しエモーショナルな部分が安っぽかった気もする。
この映画のロケ地であるイギリスはサフォーク州の小さな港町Lowestoft。以前深い親交のあった人の地元で、２度ほど訪れたことがある。数十年前までは活気ある漁師たちの町だったが今は大手スーパーや需要の変化により産業が廃れ町は衰退してしまったと地元民は哀しげにボヤいていたのだが、落ち着いた灰色の砂浜の海岸沿いはただスーっと広く清々しく、これは正にイギリス映画で観たような海と空の色だとえらく感動したことを覚えている。そして町を歩いても聞こえて来るあの巨大な風力発電のタービン(windmill) がブォンブォンと回る音が懐かしい。
映画が安っぽいと思ったのは、自分の記憶がよりエモーショナルに呼び起こされたからかもしれない。
