シネマスナイパーF

イエスタデイのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
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エドシーランが得をした映画


会話の端にWhen I'm 64やMaxwells silver hammerが入ってくるような小ネタはファン的としてニヤリですね
ただ、マニア向けなのか万人向けなのか、その辺のバランスが上手くとれてない気がするな

誰もが知る名曲を並べて、この音楽は革命だ!ともてはやすのも悪くはないとは思いますし、基軸がラブストーリーなので自然とポップでメジャーな曲で固められるのは必然です
でも、サージェントペパーズ大好きだって言うのなら、その流れの先駆けとなるラバーソウル、リボルバーあたりの衝撃も世界に与えて欲しかったかな
ジャックのストーリーが悪く言えば陳腐なので、これも悪く言えばビートルズの楽曲のラブアンドピースな多幸感しか利用できていない気がする
手堅いけど実は愛情は薄めな感じが
世界中の僅かな人間のみがビートルズを知っている、という設定はそのままに別の脚本で見てみたかった


まずYesterdayのタイミングが失敗じゃね?
エリーが離れた後失意の中歌うんじゃないのか…
この映画に最適なタイトルはYesterdayではない気がする
そもそもこれを言ったらどの曲にも文句が言えてしまうだろうが、Yesterdayは100%ポールの曲だからなぁ…これは言っちゃダメかな
小ネタは周到に抑えてきているので楽しい部分は多いですが、曲の使い方がなーんかイケてなくて、最高潮に盛り上がりそうなところで微妙な感じになって終わるってのが多くなっちゃってないか

ジャックがビートルズの大ファンです!っていう感じでもないのがもうダメな気がする
ビートルズの再来と呼ばれたオアシスを演ったぐらいの立場でビートルズ乱用ってなんか彼のフワフワした感じも相まって実はお前口では偉大だなんだ言うけど割とビートルズの楽曲であるかどうかはどうでもよさそうだなって感じた
数少ないビートルズ知ってる組の同志であるじいちゃんばあちゃんを登場させたことで、この素晴らしい音楽を忘れさせないことの意味を感じさせてくれた分、ジャックの胡散臭さが若干際立ってしまった感

世界が変わったことであるメンバーの人生が変わっていてその方に会いに行くことで見つめ直すのもいい流れだと思いますが、そこで彼作の曲口ずさむとか欲しかったわ
Happiness isn't a warm gunとか気の利いた台詞あってもいいんじゃないの?
もうちょっと気が利いた台詞あっても良かった気がするけどね
みんながビートルズ知らないって言ってるのに反論するためにYour mother should knowって言ったりとかできたんじゃないか?


なんだかんだ言ってますけど、ビートルズをモチーフにした映画としてきちんと楽しむことはできました
ただその活用の仕方がぶっちゃけ下手だったので残念でした
Penguinに対抗してBlackbirdかと思ったら違いました…
満足度は低いです