さく

イエスタデイのさくのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
2.0
結局また久しぶりの映画鑑賞となってしまいましたが、初の「池袋グランドシネマサンシャイン」に行って参りました。池袋は一応「シネマサンシャイン」というシネコンがあったものの、正直色んな意味で微妙すぎる映画館なので(詳細略)、新しいシネコンは「待ってました!」という感じです。

前段はさておき、本作のレビューです。

正直、途中までは「これは完全に★5確定でしょ?」くらいに思って楽しんでいたのですが(色々気になる部分は置いておいて)、最後のまとめ方があまりにも納得がいかずに★2になりました。

改めて気づいたのですが、私が映画を観るときに重視するポイントって、ラストの締め方なんだと実感した次第です。途中までしょうもない映画だなーと思っても、ラストが気に入れば「全てはこれのために!」と思えて、非常に後味が良いと思えるのですが、逆もまた然り。まあ、『七人の侍』みたいに途中も最高で、最後も最高なのが理想ですが、なかなかそうもいかない。

(ここから先ネタバレも含みます)

ほんとに途中までは最高に良かったんですよ。童貞の成長譚みたいな展開だし、好みの作風です。Beatlesだし楽曲は最高に決まっているし。だけど、何なのあの取ってつけたようなラストへ向けての安っぽいメロドラマみたいな展開は? エリーって魅力的なヒロインに見える? 私はただの性格の悪い尻軽女にしか見えなかったよ!

捨てられた形になったギャビンはギャビンで、調子良く次の女見つけているし、何なの? そんであの流れで何でジャックに靡くの? 「インチキ」とか言ってたでしょ? もうわけがわらないよ。童貞のくせに。

そもそもファンタジー映画だからリアリティラインがどうこう言うのは野暮かもしれないけれど、あんだけの騒ぎ起こしといて、何で平然と「元の楽しい暮らしに戻ったぜ!」とかなるのかも不明。

こうなってくると、途中までは楽しかったので「まあ、細けえこたぁいいんだよ!」と思っていた些細なことまで気になりだす。

そもそもBeatlesのバンドとしての偉大さって、楽曲の素晴らしさだけじゃないでしょ? アレンジの妙だとか(特に中期以降は)、演奏技術(ボーカル含め)とかバンドとしての魅力あってこそのBeatlesだと思うので、ギター一本で…というのは違和感を感じえない。ジャック役の人も生歌で頑張っているのは良いんだけれど、バラード系はまあいい感じだけど、ロックンロール系の時はボーカルとしてしょぼい。あと、「イエスタデイ」歌う時変に崩して歌うな! 敬意を示すならきちんと歌え。

この辺の違和感を埋めるには、ジャックが楽曲は書けるけど編曲で行き詰まるみたいな展開にして、実は相棒のジャンキーアフロが編曲においては天才的な才能を持ってて助けるとか、Beatlesの記憶が残っている別のキャラがフォローするとか、そういう手はあったと思う。

だが、ゴースト・バスターズ依頼久しぶりにお会いした「ケイト・マッキノンのアニキ」だけは5億点なのと、3次会でヤケクソになっているカラオケみたいな『HELP!!』だけは★5だ(ここまでは最高だった)。
さく

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