脳内でビートルズ祭りが始まった。
ビートルズがもしいなくなったら?
アイデア自体突飛なもののため、ヘタを打てば脚本が空中分解してしまう危険性もあるなか、クライマックスへの橋渡しも見事!
そしてまさか彼が出てくるとは思わず、恐れ入った。
中心テーマにすえられたのは2つ。
本当の幸せと愛。
売れれば得られる富と名声。
それと引き換えに彼が失ったものは最愛の人と愛。
ビートルズをテーマにする以上、避けられないテーマ「愛」
愛と名声の間で揺れる心。
音楽で売れたいとか思うけど、大切なものって本当はすぐそばに転がってるんじゃないの?そう映画は問いかける。
主人公が幸福について考えた結果、出した答えとは?
その背景で脳内に浮かび上がる疑問。
ビートルズが影響を与えたバンドやカルチャーはどうなるんだ??
ビーチボーイズのペットサウンズは誕生しなかったのでは??
などなど。
そんな質問は野暮であると鑑賞後に思った。
脚本はよくいえば、ベター。
悪くいえば、平凡だったが、さすがダニーボイル。
音楽の使い方が抜群!
これを東宝の良質音響で聴けただけで満足だ。
主人公によるカバーでたくさんの楽曲は出てくるが、やっぱり本家ビートルズのアレンジが最高だということを思わされる。
「ビートルズのいる世界に生まれてよかった。」
真に伝えたいメッセージはこちらなのかもしれない。
ps.本作脚本のリチャードカーチスの過去作パイレーツロックのジャケット。完全にサージェントペッパーオマージュ。筋金入りのビートルズ好きなんでしょうね。
ダニーボイルの編集めっちゃ好き。