セサミオイル

イエスタデイのセサミオイルのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.0
音楽映画かと思ったら恋愛映画着地だったので、ごまかされ、はぐらかされた気持ちになった。
音楽映画としてはビートルズ楽曲の良さをオリジナル音源並べて聴かせるのと同等かそれ以上に伝える事が出来てたと思う。ギター1本とヴォーカルだけでもイエスタディという曲はキラキラと輝くということを音と映像で提示してくれた。
でもそれを頭で理解出来る人は元々ビートルズファンだったり、音楽ファンだったりの限られた人だけで、日常で音楽興味ないと公言しちゃうような人はあのシーン見てもなにも感じないかも知れないな…そこら辺は分からん。


1人の無名ミュージシャンが覚えてる範囲内でビートルズを再現しないといけないという設定も面白かった。ビートルズの熱狂的なファンが細部にまでこだわって再現すると一般的なファンや初めてビートルズを聴いたファンを突き放してしまいかねない。一方で主人公は観客と共感出来る部分が多く、ビートルズが作った世界観への間口そのものになれるからだ。

2019に全く新しいものとしてビートルズの楽曲が世に出たらどうなるだろうという妄想をより尤もらしく現実的な部分に落とし込む為の仕掛けがありその気になれた。

恋愛映画としては、ずっとそばにいた幼馴染みの事を急にあそこまで好きになれるかな?という主な部分に共感できずに戸惑った(笑)
戸惑わないように丁寧にあそこまで持ってってくれたら良かったのに。しらんけど(笑)

ビートルズの楽曲はこの世界ではその後パブリックドメインという形で地球の共有財産となる。でも他のマニアックサイドな楽曲はどうなるんだろう。あの主人公に再現は無理だよなぁ。
新たに原盤作ったんだから著作権放棄したとしても演奏税はもらわないとレコード会社に全部持ってかれてしまう。あんだけ頑張ってレコーディングしたんだから…しらんけど(笑)