1人でも多くの人に"マラウイ"と言う国を知ってもらう機会になってほしいので本気レビュー
(数年前マラウイに住んでいたので贔屓スコア)
世界でも最貧国top10に入るであろう東アフリカの小国マラウイ。
北はタンザニア、西はザンビア、南はモザンビークと国境を面した、内陸国です。
どんな逆境でも諦めなければ、想いが強ければ、努力をすれば願ったものを手に入れられる、という、胸が熱くなる綺麗なストーリー。
そんな大筋の流れに、2001年という9.11テロがあった時代背景と合わせ、人々の脆弱性(小さなきっかけで簡単に死んでしまう、生活がどん底まで落ちる脆さ)、政治(独裁→民主化と国民の踊らされ具合)、基礎教育の欠如による短絡的な思考が先行してしまう現実(親が子に教育より労働を優先させる)などなど、途上国の人が抱えやすい開発課題がしっかり盛り込まれています。
英語とチェワ語が半々なことも、カラッと乾いた赤土の広い大地も、土で汚れてレンガ剥き出しの家々も、全部、ほんとにマラウイそのまま。
飢饉に陥れば人々は食べ物を求めて略奪が始まり、雨が降らなければ雨乞いに頼っていた過去や、児童労働のような一面も、今も(減ってるとは思うけど)起こり続けている現実です。
ウィリアムが風を捕まえて、水が出た瞬間の"Maji!(水)"！とみんなが歓喜するシーンはやっぱり胸が熱くなる。
原作の書籍も、彼のTEDトークもあるので、興味が湧いたら是非見てください。
懐かしい気持ちになるいい映画でした。
