せきもと

サイダーのように言葉が湧き上がるのせきもとのレビュー・感想・評価

4.0
この色味のアニメで好きになれるアニメが出てくるとは思ってなかった
SNSと身体性の関係については竜とそばかすの姫よりもよっぽど正確に捉えているのではないかとさえ思う

アニメーションのコミカルさと展開の劇的さ加減がちょうどよくて(サイエンスSARUだと異質すぎた。この作品と比較するなら『君と波に乗れたら』だろうがリアリティとアニメの適切な距離感が必要なティーン恋愛ものにおいてはこちらに軍配が上がるかなと思う)、これは舞台設定の田舎の、それにしては異様にカラフルな、商業施設や街のあちらこちらに施されたタギング(そのアーティストであるキャラクターの出自も含め)や、商業施設の屋上で若者の好き勝手なまま放置されている溜まり場などもその雰囲気作りに大きく貢献している。そして、それを象徴するようなオープニングのアニメーション(出会いのシーン)がある。
デジタル/フィジカルの距離感と現代若者の仮想空間上に(仮想空間的身体性に宿る心象に)巣食う病巣を正確に捉えながらそれを見事に恋愛アニメに落とし込むことができている点でとても素晴らしいと思う
あと個人的に好き。泣いた

単純にヒロインがめちゃめちゃ可愛いのが良い
芸能人声優の点を取ってもかなり出来が良い

コロナで公開時期がずれ込んだためにエンディングテーマを公開半年くらい前からスポティファイで聞いてたんだけども、映画見たあとだと染みるねえ