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サイダーのように言葉が湧き上がるのspitfireのレビュー・感想・評価

3.8
うる星やつら29話(例のラムが牛になる回!)のクレジットを見ていたら、イシグロキョウヘイさんがコンテを切られていて、本作の存在を思い出しました。録画データ積みっぱなしだったし、いい機会なので鑑賞。

郊外……というか田舎の大型ショッピングモールを舞台に起きるボーイミーツガール。少年少女がちょっとずつコンプレックスのある造形で共感を寄せてしまうのですよね。
モールという歴史をぶった切った箱物を舞台にしながら、そこから遡って町や人の来歴に眼を向けるのが面白い。事前に想像していたよりも奥行きを感じられる世界観で意外性がありました。
作劇も細かいフックがあってドキドキしながら見てしまう。「やまざくら」とか「行くよ!」とか。そんでもって辿り着いたクライマックスも、最後までワーディングの力を信じてるのがめちゃくちゃエモい。あとボムられてる俳句が全部意味ありげなので解説してほしい〜!
それと牛尾憲輔先生の劇伴が素敵。今回はミニマルでデリケートなサウンドで、ポップなデザインとしっかり共鳴しています。トータルでとても上品なデザインに感じられました。
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