Maoryu002

ザ・テキサス・レンジャーズ​のMaoryu002のレビュー・感想・評価

4.3
1934年、犯罪を続けるボニーとクライドを止めるため、元テキサス・レンジャーのフランク(ケビン・コスナー)とメイニー(ウディ・ハレルソン)が雇われる。すでに年老い衰えた2人はボニーとクライドに翻弄されるが、やがて経験と執念で逃亡先を突き止める。

名作「俺たちに明日はない」を裏側から映した作品で、面白いのかな?って疑ってたけど、武骨で悲壮感漂う傑作に仕上がっていた!
ジョン・リー・ハンコック監督は「しあわせの隠れ場所」や「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」で、一筋縄ではいかないドラマを描いたが、この作品は最高の出来だろう。

ボニーとクライドがそろって顔を見せるのはラストだけなのだが、この2人の犯罪と逃亡の巧妙さがしっかりと描かれ、フランクとメイニーは翻弄され続けてしまう。

追跡劇として十分に面白いが、その中でフランクとメイニーの暗い過去も明かされていく。
実はこの追跡は、彼らにとっては“過去の自分たちの許されない行動”への贖罪になっていて、やり直せない過去と同じことを繰り返す犯罪者を止めることで、少しでも償いたかったように見える。

ただ、どっちにしても暴力と殺人で、見ようによっては“目には目を”なわけで、この2人の執念が正しいかというと、そうとも言えない気がしてしまった。

主演の2人の組み合わせは最高だった。
ウディ・ハレルソンはこれまでも同じような雰囲気の役柄が何度もあったが、ケビン・コスナーはお腹が出てくるにしたがってシブくてカッコいい役が増えてきている。

当たり前だけど、「俺たちに明日はない」と対比して観るのが絶対楽しい!
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