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デッドプール2のおとぎばなしのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.8
過激な表現を押さえた「ワンス・アポン・ア・デッドプール」が「デッドプール2のおとぎばなし」として日本配信が決定した。映画はPG-12となり、このために新たに撮影されたシーンも含んでいるため、1度見た視聴者も楽しむことができる。
破天荒なヒーローの活躍を描く「デッドプール」シリーズは、過激な暴力描写と露骨な表現からアメリカではR指定となっていたが、2018年12月12~24日の2週間限定でPG-13指定(13歳未満の子どもの鑑賞には保護者の注意が必要)の「デッドプール2」が全米公開された。同作はPG-13指定の条件をクリアするため、「デッドプール2」を再編集したものだが、本作のために新たに追加されたシーンもあるという。「ワンス・アポン・ア・デッドプール(原題)」は1980年代の傑作のひとつとして知られる「プリンセス・ブライド・ストーリー」(ロブ・ライナー監督)のパロディとなっている。オリジナル版では祖父が孫(フレッド・サベージ)に昔話を聞かせる構成になっていたところを、本作ではデッドプールがサベージに昔話を語るという設定に置き換えられている。
「ワンス・アポン・ア・タイム」とは日本語に置き換えると「むかしむかし」という意味で、おとぎ話などの冒頭に使われている。
主演とプロデューサーを兼ねるライアン・レイノルズは、「ワンス・アポン・ア・デッドプール(原題)」としてPG-13指定版の公開を許諾した理由を、サベージとの共演に加えて収益の一部をチャリティに寄付できるからだと説明している。
ストーリー展開はオリジナル版と同じだけど、バイオレンス描写をマイルドにし、「心が正しい位置にないから」というヴァネッサの言葉に従ってXメンに入り品行正しいヒーローになろうとしたり虐げられたラッセルを命懸けで救おうとすることでヴァネッサを喪った哀しみを昇華しコロッサスやドミノたち新しいファミリーや自分のアイデンティティを見つける俺ちゃんことデッドプールことウェイドの心の旅が、感動的に伝わるハートウォーミングな仕上がりになっている。
デッドプールのお約束であるメタ的なギャグも健在で、デッドプールが語るストーリーにサベージが「体が真っ二つになったら、デッドプールがふたりにならなきゃおかしいだろ」とか「ヴァネッサって結局「フリッジ(アメコミでのヒーローの恋人や妻が殺されたりすることでヒーローを苦悩させる脇役的な働きしかしていないことに対しての批判的な言葉)だよな?」」など脚本の粗を突っ込んだり、フォックスがマーベルを買収したことをネタにしたりコメディ部分もパワーアップしているので、オリジナル版を見た人も満足出来るバージョンに仕上がっているスペシャルバージョン。
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