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SKIN 短編のひのネタバレレビュー・内容・結末

SKIN 短編(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

今年観た中で一番かも。非常によくできてる。

20分という尺が短くも長くもなくちょうど良い長さで、余計な情報を入れず、だからと言って不足した部分もなく、うまくまとまっていた。

人種差別、銃社会についてただ風刺的に描くだけでなく、とてつもなくうまいオチに落として終わっている。でき過ぎていて、作品の完成度に感動している。蛇の話もうまいなと思った。こんな短編観たことがない。

射撃の帰りに肌の色で差別した相手に、刺青で全身真っ黒にされて家に帰ると、家族にはその仲間の逆襲だと疑われ、挙句子供に銃で殺される。

刺青なので本質的な人種は変わらないけど、黒い肌になったことで他人の態度が変わってしまう。人種差別って外面的なもので浅はかよね。

肌の色関係なく、急にまるっきり外面が変わった状態で帰れば、家の人も怖がるに決まってるので、奥さんが黒人という人種自体に怯えていたのかはわからないけど。

この子供はこれからどうなるんだろう。
この頃は純粋で、最初のレジのシーンは人種に関して何の偏見もない状態なんだろうけど、この一連の事件があったことで、どういう意識や思想を持つようになるんだろう。確実に黒人家庭の子供は白人という人種に偏見を持って生きていくんだろうな。

先入観とか偏見を与えるのは全部大人。
受け継がれていくから、人種差別もなくならないし銃規制もされないまま。日本で生まれ育つとなかなか気づかない問題だけど、闇が深い。

好き嫌いという点で言うと、観ていて楽しいものでも感動するものでもないし、暴力的で絶望的で残酷で、精神的に苦痛を感じるので苦手ではある。たぶんもう観ることはないと思うけど、圧巻だった。
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