ねまる

トールキン 旅のはじまりのねまるのレビュー・感想・評価

トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)
3.8
T.C.B.S "Tea Club Barrovian Society"
現実の世界では優秀な学校に通い、高い学力を求められる彼らが、絵や音楽、詩に物語とアートの世界で夢を膨らませるサークル。
心底彼ら4人の友情が羨ましかった。

それはある一定の人からは、
馬鹿らしい、無駄だと言われてしまうようなことで、それを真面目に真剣に発表しあえる関係性がなによりも素敵だと思った。

指輪物語を読んでないばかりか、ロードオブザリングを観てさえいないのに、トールキンの映画を観ているのは、TCBSのメンバー4人をニコラス・ホルト、パトリック・ギブソン、アンソニー・ボイル、トム・グリン=カーニーが演じているから。
キャラの違う4人はもちろん、なんか似てる子役時代から全員が愛おしかった。
タイ・テナントがトムグリになったのはHOTDじゃんとつっこんだけど。
子役たちから4人の関係性が良い。

あとら、トールキンがエディスに促されるようにしてセオードアの物語を創造していく場面が好き。
孤児たちが這い上がるためにみる物語。
そして意味を持った言葉たち。
言葉に意味がなければそれは音だ。
そう考えると、音の組み合わせに一つ一つ意味のある言葉というものの力を知った気がした。
文字の並び、音の響きに意味があるんじゃない、その意味に心が揺さぶられる。

戦争を色濃く描きつつ、主人公特権なラブストーリーも、そして友情物語もぎゅっと詰め込んだ作品。
ホビットを知っていたらもっとその意味が分かったのかな。
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