ガーコ

トールキン 旅のはじまりのガーコのレビュー・感想・評価

トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)
5.0
映画を観て、こんなに満たされた気持ちになったのは久しぶり。

良い意味で期待を裏切られる作品でした。

『ロード・オブ・ザ・リング』を映画館で見たことのある人なら、絶対満足できるかと思います。

物語は、彼の幼少期からスタート。

父を早くに亡くし、母と牧師を頼りに都心に移り住んできたトールキン兄弟。

慣れない生活に苦労していた矢先、今度は母親が病に倒れ、兄弟二人は孤児になってしまいます…。

牧師の力のおかげで、どうにかお金持ちの養子になった彼は、優秀な成績のおかげで一流の学校に通うことができたのです。

そこで出会うのは、彼の運命を決定づける3人のクラスメイト。

最初はいじめられたり、喧嘩したりで散々でしたが、ある事件がきっかけとなって、あっという間に仲良しに!

勉学に趣味に、互いに励まし合いながら共に目標を持ち成長するうちに、深い絆が芽生えていくのです。

4人の少年はエリートだからこそ、大人からの期待を背負い、将来は決められた進路を進む予定…。

でも、本当にやりたいことは別にあり、密かに将来の夢を諦めていない…。

この時代だからこそ、色々と悩ましい部分が沢山あったと思います。

でも、彼らは決して夢を諦めることなく、いつかきっと夢を叶えようという気持ちを胸に抱き続けていました。

皆同じような境遇だからこそ、通ずるものがたくさんあったことでしょう。

4人の絆があったからこそ、あの有名なトールキンの物語は生まれたんだと思います。

4人の固い友情は、まるでロードオブザリングに登場するホビット族の仲間そのもの。

最後の最後まで、決して破られることのない友情の強さはとても素晴らしかったです!

そして、さらにこの作品の素晴らしい部分は、トールキンの愛情深さ。

幼い頃に母親から愛をたくさんもらい、素敵な物語をたくさん聞いて育ってきた少年。

だからこそ、人を愛することは人一倍強かったように思います。

愛する女性を一途に想い、ひたすらその愛を貫き通した直向きさに感動!

途中どうなるのかハラハラドキドキするところもありました。

でも、最後まで愛することから逃げなかった彼の真の強さが、素晴らしい結果に結びついたんだと思います(^^)

また、ストーリーも素晴らしいのですが、それと同レベルで素晴らしかったのが映像の美しさ。

彼の想像する世界と、現実の世界が複雑に絡み合う瞬間にドキドキさせられました。

特に、戦争のシーンはすごく魅力的!

暗闇に浮かび上がる黒煙が徐々に得体のしれないものになっていく様子にビビりました。

カメラアングルも実に緻密で、美しくて観ている観客を飽きさせることがなかった!

こんなにもリリーコリンズが美しく映し出されていたことに感動!

彼と彼女のやり取りは見ているこちらの気持ちをドキドキさせてくれました(^^)


映画を観る前は、かなり地味で暗い印象のでしたが、観終わった後はとても明るく、心がほっこりしました。

観た後と観る前でこんなに気持ちが変わったのは久しぶり!

地味で面白くなさそうなフライヤーの広告がなんだか切ない。

これは宣伝でかなり損をしている、そんな気持ちになる程素敵な作品でした(笑)

ありがとうございました(^^)
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