最初字幕で観始めましたが、早口のブラックジョークを交えたセリフや登場人物の多さから吹替版に変更しました。実際の事件やモデルとなった人物についての知識が無かった私には吹替のほうが断然わかりやすくてテンポよく楽しめました。
セクハラパワハラがはびこる業界で女性がどのような想いで仕事をしているのか、被害者が声もあげられないような現場の根深い闇を感じられる作品でした。かなり胸くそ悪いシーンもありますが、それもまたリアルだと思うと特にアメリカで差別や女性の社会進出に声を挙げる人が多い理由も納得できる。被害者が声を挙げることで仕事を失ったり逆に世間からの非難を浴びる可能性から公表することもできない、そんなシーンにもどかしくて悔しい気持ちになりました。作品の雰囲気、ライトな語り口とテンポの良さのおかげでまだ気持ちに余裕を持って観ていられるが、テーマ的にはいくらでも重いつくりにできる内容だと思います。本作は実際に起こったFOX社での話が物語となっているが、結末を含め日本の政治やテレビ業界でも十分有り得そうな内容だと思いました。もともとトランプのイメージは映画の中のような感じだが、悪いイメージを抱かせる内容の本作がよく公開できたなーという点も驚きです。
