Pinch

スキャンダルのPinchのレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.8
権力というものは恐ろしい。人間は、正義に基づいて考え行動しているつもりでも、自分の身勝手な振る舞いを許す権力の方に無意識に心を引かれます。極論するならば、たとえ腐敗していても支配層の権力への憧れを否定できる人は実はほぼいません。だから、個人が自分の闇雲な欲望をどう抑制するか、組織が個人による権力の誤った行使をいかに阻止できるかは、太古から現在に至るまで未解決の難題のままなのです。特に、性の在り方という問題においては、人類はほぼ何の進化も遂げていません。現実的に納得のいくまっとうな道徳観が改善されず崩壊の憂き目に遭う今、このような問題に焦点を当て真剣に考えるべき時なのでしょう。逃げれば逃げるほど社会は崩壊に向かうだけです。
Pinch

Pinch