ガブXスカイウォーカー

ミュータンツ 光と闇の能力者のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.6
《あらすじ》
人体が彫像のように石化するという奇怪な事件が発生、被害者は日系アメリカ人のキョウコ・オオシロと判明する。女性捜査官ステラ・マーフィー(クリスティン・ウッズ)は、事件を追う中で、不思議な力を持ったキョウコの娘ノリ(福原かれん)を保護することに。ノリだけでなく、オオシロ家の一族は代々特異な能力を受け継ぐ超能力者の家系だった。ノリの力を手掛かりに犯人を捜すステラだが、そんな中、ノリの前に彼女も存在を知らなかった兄ジン(MIYAVI)が現れ、自分は闇の力を持つゆえ、母と祖母に捨てられ怨んでいたことを語る。かつて兄妹の超能力で世界を変えていこうと提案するが、ノリは断る。ノリの通報により、ジンは逮捕されるも、すぐに脱獄して警官隊を蹴散らす。つに兄妹バトルになるが、ノリが勝利する。後日、ステラに見送られ、いずこへと旅立つノリであった。


つまらなくはないけど、マーベルヒーロー物のように、数分に一回のトラブルやバトルなど起きず、ノリとステラが地道に石化事件を捜査していくのでちょっと疲れる。その中で、母を失ったばかりのノリと昔実の子を死なせてしまったステラが親子のように絆を深めていくドラマも淡々と描かれる。
そこへ割り込むかのように、ノリの実の兄ジンが名乗り出るのは54分あたりとずいぶん遅い。ここでようやくテンションが少しだけ高まるが、クライマックスのノリ、警官隊対ジンは短くてあまり盛り上がらない。
本作の原題は『Stray』=「迷っている」、「離れる」、「はぐれる」、「さすらう」、「さまよう」など。ノリもステラもジンも家族を失い、さまよっていたのだ。ノリはステラと家族になり、邪悪な実の兄ジンを倒したことにより、迷いを吹っ切ったのであろう。ラストで彼女の旅立つ先は故郷の日本なのか? バトルを増やした続編を期待したい。
本作は静かなSFミステリーを好きな人にはお薦め。

ヒロイン、福原かれん(『スーサイド・スクワッド』のカタナ)は演技はいいけど、ルックスは好き嫌いの別れるところだ。彼女と言い、ルーシー・リューと言い、海外では個性的な顔の東洋人が大役をつかむ。