Fernweh

マウトハウゼンの写真家のFernwehのネタバレレビュー・内容・結末

マウトハウゼンの写真家(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

マウトハウゼン収容所で7,000人のスペイン人が殺された。フランス軍との闘いや内戦で捕虜になった人々で、フランコ政権は彼らの国籍を剥奪した。青い逆三角形は国籍がない人の印。“夜と霧”令。仕事を与えられた者は、少しでも多くの仲間(スペイン人同士)を救うために、囚人番号と名前の情報を入れ替え偽造を図った。上長への報告内容をよく見せるために、写真加工や撮影時に演出が為されたこと。ここでの死に方は、ガス室送り、犬に食わされる、真冬に冷水を浴びせる、死の階段を上らせること。でもしょっちゅう違うことが起きていた。
主人公の写真家は、殴るのも殴られるのも嫌で、父親に教わった写真撮影を担当した。
そして戦況が悪くなった時、「写真がなければ外の人々が誰も信じない」と写真を残すことに必死になるスペイン人の写真家とその仲間たち。あらゆる記録を全て燃やせと指示する看守たち。
命懸けで、残すために、託すこと。

この残酷極まりない映画を、最後まで見ることができるようにしてくれているのは、時折り使われる、音楽による演出。
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