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金の亡者たちのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

金の亡者たち(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

謎のブローカーと手を組む、新人証券マンの話。

証券会社で成り上がっていく男の話で、スケールこそ小さいものの韓国版『ウルフ・オブ・ウォールストリート』って感じの作品かな。
特に物語に新鮮味はないのですが、韓国映画お馴染みのオジサン俳優が勢揃いしており、それぞれの役柄がハマっているので、役者の魅力で引っ張ってもらった気がします。

主演のリュ・ジュンヨルは、序盤の垢抜けない青年な感じから、後半どんどん嫌な人間になっていく変わり様が良かったですね。
あと、個人的に印象に残ったのは、謎のブローカー役のユ・ジテ。
この役に説得力がないと成立しない映画だと思うので、そういう意味で彼の存在感は大きかったはず。
ミステリアスでカリスマ性がある、ユ・ジテにしか演じられない役柄でした。

物語的には、よくある成り上がりからの破滅を描いた作品ではあるのですが、全体的に人間関係の描写が足りなかった気がします。
主人公の改心のキッカケが友情になるなら、もっと友人との絆を描いて欲しかったし、ラストがユ・ジテとの戦いになるのなら、主人公との師弟関係を描いても面白かったかもしれない。
人間関係が物語のキーになるわりには、人間関係の描き込みが不足しているので、イマイチ盛り上がらないんですよね。

また、利用されてたとはいえ、犯罪に協力してた主人公が逃げおおせるのは引っ掛かるものがあるし、ユ・ジテが普通に捕まってしまうのもガッカリ…。
ユ・ジテの役は人間のエゴや欲望のメタファー、概念や象徴の様な存在なのだから、彼こそが逃げおおせる=彼はどこにでもいるんだよ…というオチにしても良かったのではないでしょうか。
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