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テロルンとルンルンのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

テロルンとルンルン(2018年製作の映画)
3.7
引きこもりの青年(岡山天音)と聾の女子高生(小野莉奈)の心の交流を描いた49分の短編。思いがけず心が動いた。韓国映画の「彼と私の漂流日記」で引きこもりの女性が少しずつ外に心を開いていくラブコメが好きだったけれど、こちらは淡い恋心で、傷つきやすい二人が痛々しい。

主役二人以外の親も教師も同級生も閉鎖的な町も全部ダメダメに描いているので、余計に二人だけの世界が際立つ。

修理屋の青年の閉じられた窓を叩く少女。窓越しの一方通行の二人の会話、次第に理解しあっていく。しかし、貼られたレッテルはどこまでも張り付いてくる。

部屋から出ること、
言葉を心から出すこと、
二人は同じ境遇だった。

補聴器をつければ普通高校に通える。可愛く男子にモテて優秀だが、話せない少女がこんなにイジメの対象になるなんて。そんな中、少女は何を伝えようとしたのか。余韻がよかったです。
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