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作兵衛さんと日本を掘るのuniのレビュー・感想・評価

作兵衛さんと日本を掘る(2018年製作の映画)
3.8
ユネスコ世界記憶遺産に登録された作兵衛さんの絵は、表情の乏しく思える絵ながら、炭鉱労働者の勇敢さ、危険な労働への悲しみや諦めを垣間見させる。

いろんな事情で炭鉱労働者となった人たちは、間違いなく日本の発展の踏み石となり、また富豪にさらなる富をもたらした。
その過酷な搾取ゆえに、歴史を葬り去ろうとした国の政策があったことに救われない思いがする。
そういう埋もれさせられたかもしれない炭鉱の記録が、世界記憶遺産となったことは素晴らしいことだとおもう。

その後、日本のエネルギー政策の転換によって炭鉱は衰退の一途をたどるが、その裏では原子力発電所の計画が始まっていた。
奇しくも、ユネスコ登録が決まったのは、東日本大震災で原発事故が起こった2011年であったことは感慨深い。
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