映画好きの柴犬

ブルータル・ジャスティスの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
3.9
家族のために

 メル・ギブソン主演のクライム・スリラー。停職処分になった叩き上げの刑事が、麻薬取引の現場から金を巻き上げようとするが、思いもよらぬ事件に巻き込まれていく。

 2時間40分と非常に長尺。一方で、今時の作品にしてはありえないほど展開が遅くて、事件が起こるのは残り1時間ほどになってから。それでいて、決して間延びした感じはない。渋さを増したメル・ギブソンとヴィンス・ヴォーンの刑事コンビと、相対する黒人コンビの、それぞれ家族のためにやむ無くやばいことに手を出していく人間味が、じっくりじっくりと描写を積み重ねて描き出されていく感じが腹に染みる。

 アクションも、ガチャガチャとカットを割ったスピード感や派手さは全くなくて、地に足がついたリアリティがある。一方で人体破壊描写はなかなかにグロい。