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ブルータル・ジャスティスの一人旅のレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.0
S・クレイグ・ザラー監督作。

暴力描写に妥協しないS・クレイグ・ザラー監督がメル・ギブソンを主演に迎えて撮った上映時間150分超えの大作で、容赦無用のバイオレンスが鮮烈なクライムサスペンスです。

強引な捜査が原因で6週間の無給の停職処分が下されたベテラン刑事のブレットは、難病を患う妻と娘の生活のために大金が必要となったため、怪しい動きをしている男が犯罪で得た金塊を強奪すべく相棒のトニーと共に男の監視を始めるが…という正義不在のクライムサスペンスです。

停職中の刑事でありながら、犯罪者から金品を奪うべく奮闘する刑事二人のバディサスペンスで、標的の男に対する地道な監視・尾行の末に想定だにしない緊迫の事態に呑み込まれていく二人の窮地と皮肉的な末路を映し出しています。己の欲望のために動くアウトロー刑事二人の金塊強奪作戦の一部始終を淡々としたリズムの中に描く静的な作風ですが、罪のない一般市民をも容赦なく巻き込んだ殺害場面にはザラー監督の面目躍如たる苛烈なバイオレンスと人生の不条理&不可知性が見事に現出していますし、主演のメル・ギブソン&相手役:ヴィンス・ヴォーンの固い信頼関係と時にユーモアを交えた掛け合いがバディ物本来の醍醐味を味わわせてくれます。
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