Hideko

パリの家族たちのHidekoのレビュー・感想・評価

パリの家族たち(2018年製作の映画)
4.5
原題: La fête des mères
英題: All About Mothers

登場人物はそれほど多いとは思えませんでしたが、関係性が初見では把握し切れず、是非もう一度観なければ!とは言え監督の『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』が未見なのでそちらを観てからですね。

それにしても疑問なのがまたまた邦題。原題は『母の日』、英題もご覧の通り。日本の公式サイトでも本作を家族の物語として推しています。観れば分かりますが明らかに「母性」がテーマなので原題が興行的に良くないのであればせめて英題のままで良いと思います。『オール・アバウト・マザーズ』。

本作は子どもとの関係性に悩む母親が多く登場しますが、同時に子どもを持たない選択をする女性にも温かい眼差しを向けています。加えて大人になった自分と母親との関係。母親を失った人も皆、人間は母親から産まれてくるのでこちらは共通のテーマですね。

自分は子どもがいないので、母親目線で「母性」を語ることはできませんが、自分の母親との様々な関係性、思い出、現状を考えさせられました。その結果監督に質問してみたいことが沸々と湧いてきました。個人的なことなのでここには書けませんが。

難しいテーマをあっさりと描いたようで、実はとても深い洞察がある本作、傑作だと思います。

ニュージーランドのアーダーン首相は「世界で初めて首相在任中に産休を取得した政治家」(Wikipediaより)として話題になりましたが、本作をご覧になったのか、興味深いところです。
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