TnT

猫の食事/食事をする猫のTnTのレビュー・感想・評価

猫の食事/食事をする猫(1895年製作の映画)
3.5
 画角ギリギリからはみ出ない猫を捉える構図の収まりのちょうど良さ。女の子が画面外からやってきてカメラガン見で猫に無理やりご飯食べさせようとするという、無邪気満点が良い。猫も嫌がりつつも黙々と食べてる感じかわいい。1905年ごろに誰が撮ったかわからないこれまた少女と猫の題材の映像があって、一時ネットで流行っていて見たけど、リュミエールの影響底知れずというかんじhttps://www.youtube.com/watch?v=sWD7mKd_6Ck&t=0s(少女の演技が明朗で良いのと、猫の最後のはっとした表情よ)。

 いろいろ調べてたら1906年ごろのボナールの絵に「子供と猫」という似た題材の作品を見つけた。欧州は可愛いは"弱さ"として芸術の題材から忌避してきた歴史があるけど、この時期あたりメアリーカサットなどの画家も出てきて可愛らしさが権威を持ち出した。リュミエール作品の潮流もまた、そうした絵画の題材と同じ流れにあったのかもしれない。
TnT

TnT