たぶ

流転の地球/さまよえる地球のたぶのレビュー・感想・評価

3.5
中国のブロックバスター映画ということで、映像も一級品だし、SF世界設定も分かりやすくできていて、エンタメらしいエンタメを堪能できた感じで、想像通りの満足感(でも想像以上ではなかった)。

太陽が膨らんで将来地球を呑み込んでしまうから、赤道にエンジンをつけて自転を止めて、1万基のエンジンふかして、2500ヶ年計画で太陽系脱出する壮大なビジョン。

ハリウッドのSF作品とよく比較されて批評されているが、私の感想としてはハリウッドに遜色ないが、ハリウッドを越えてはいない。
誰かの批評で、クリストファー・ノーランではなく、マイケル・ベイ的と書かれていたが、まさに言い得ていると思う。トリック的なものはなく全てストレートで分かりやすい。

ただハリウッドと違うのは、良い意味で、安いロマンスが無いところ。人間ドラマとして有るのは家族愛と自己犠牲の精神。
しかし、おじいちゃん、お父さん、息子、妹、どれに感情移入すればいいのかわからずに終わってしまう。

大部分が地表の氷結世界で、無彩色な感じに真っ赤な防護服が映える色使い。クライマックスに近づくにつれて、木星の茶色や火力の赤色が画面を占めるようになる。
でも、青空や植物の緑色はまったく登場しないので、なんか爽やかさが無い。
アルマゲドンに勝てないのはこの辺りの爽やかさが無いところかな…。アルマゲドンのエンディングは、青空の下で愛するものたちとの再開があったりで、爽やかに締めてるんだよなぁ。

クライマックスの妹が世界に無線で呼び掛けるシーン、中国語だったけど、あの状況で誰かちゃんと翻訳してくれてんのかなぁと余計な心配。あ、当然この発展しきった時代は自動翻訳の精度も完璧かな。
たぶ

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