おどろきの白鳥

夢幻紳士・人形地獄のおどろきの白鳥のレビュー・感想・評価

夢幻紳士・人形地獄(2018年製作の映画)
1.7
原作ファンの監督さんが作られたとのことで、怪しく不思議な雰囲気の再現には成功していたと思う。
昔の市川崑による金田一映画のような、陰影を伴った空気づくりなどは上手い。

しかし、おそらく原作が好きすぎて、自己解釈が乗って「足しすぎた」印象も同時に。

また、カット割が悪く思えた。
カメラの台数が少なく長回しが多いのは、おそらく限られた予算の中で納めるためと、効果を狙ったようではある。
また、「間」で魅せる演出も多かった。
これらが、自分には退屈さを覚える要因となってしまった。

役者の顔つきや、光の具合、背景の緑(季節)がコロコロ変わるので、統一感がなく、気になって没入できない要因になっていた。
舞台挨拶で分かったことだが、月1~2回の機会で撮り、年単位の撮影期間になったらしい。
予算で苦しんだのかもしれないが、「役」がブレてしまったのではないか?

結果、自主制作映画みたいな拙さと、同人誌のような二次創作感が滲み出て、90分の作品ではあるが3時間くらいあったように長く感じた。
テレビやVシネ向きに、45分くらいでまとめていたら、好きな作品になったかもしれない。