けんたろう

夢幻紳士・人形地獄のけんたろうのレビュー・感想・評価

夢幻紳士・人形地獄(2018年製作の映画)
-
健太郎さんが出てくるおはなし。


主人公をはじめとする様々な人物の衣装と、可愛い紙風船や人形などの小道具とが、ときにノスタルジーを、ときに妖しい雰囲気を醸し出す。
明治なのか大正なのか、はたまた昭和前期なのか。よく判らないが、とかくその時代の田舎の、摩訶不思議な世界にどはまりした。アングルや構図も好い。映像と音楽とがツボをもろに抑えてくる。

物語は、その前提も結末もひどく悍ましい。
ただその悍ましさも、ゾクゾクする面白さを含んでいる。人形に成りたい云々にも、催眠術で人が変わってしまう云々にも、なにか唆られるものがある。

また、主人公に終始あるクール感。それがゆえに、騙し合いやら戦いやらにはかなり興奮。相棒(?)との関係性にも惚れた。

とにかく、何もかもが好き。もしも続編が作られるのだとしたら、是非観てみたい。面白かった。