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夢幻紳士・人形地獄のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

夢幻紳士・人形地獄(2018年製作の映画)
3.6
昭和初期の日本。探偵の夢幻魔実也(皆木正純)は、他人の心を視たり、他人に自由に夢を見せたりする力を持っていた。
ある夏の終わり、魔実也は道端で聞こえてきた不思議な声に誘われ、木箱から発見された少女・三島那由子(横尾かな)に会いに行く。
山奥の診療所で会った那由子は、反応が全くなく、まるで人形のようであった。
那由子の母・ミツ(井上貴子)によると、奉公に出たまま数ヶ月の間行方がわからなかったという。
ミツから那由子を助けてほしいと懇願されるが、かつて暗示に失敗し一人の女性を廃人にしてしまったことがある魔実也は二の足を踏む。
しかし彼を追いかけてきた元依頼人・小堀(龍坐)や、村人を脅かす謎の犬男が現れたことにより、魔実也は那由子の心を視ざるを得なくなる。
すると那由子は、奉公先の女主人・雛子により自分のことを人形だと思い込むよう暗示をかけられていた……。
他人の心が視える探偵・夢幻魔実也が事件を追う高橋葉介の怪奇ミステリー漫画『夢幻紳士』を実写化。
高橋葉介の代表作「夢幻紳士」は、「冒険活劇編」「怪奇編」がある。
今回は、「怪奇編」を映画化したもの。
「怪奇編」の夢幻魔実也は、少年のようで青年のよう、強い暗示の能力を使い事件を解決するけど、気まぐれで女ったらしだが、義侠心もあるがクールである。
そんな夢幻魔実也を演じるという大役を与えられたのは、皆木正純という無名の役者。
不安しかなかったけど、満足不満足半分半分くらい。
セピア色の映像表現、アンティークな衣装、不穏な音楽など、寺山修司の映画のようなアングラでシュールな映像表現は良かった。
ただ夢幻魔実也は、まあまあイメージ通りだったけど、自分のイメージではNHK BSで満島ひかりが明智小五郎を演じた時の性別や善悪が曖昧な不思議な存在感がぴったりだったので、夢幻魔実也のイメージや演技に引っ掛かるものがあり残念な出来だった。
いつかNHK BSの江戸川乱歩短編集のキャストとスタッフで再映画化されたら、ぜひ見たいと思う。
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